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立山から立岩 2016.0401(金) その1

『飯能市史 資料編 Ⅺ P115』

立山(タテヤマ)

虎杖窪(イタドリクボ)の南の山、「立つ」はそびえる意でそばだった山。
なお狩猟、伐木などを禁じた山、とめ山のこともいった。



飯能市史には、立山について二つの意味が書いてあります。
そばだった山なら、さぞかし立派な山容だろうと思い、登行意欲をそそられてしまいます。
後者の、とめ山だと、山容はそれほど立派ではなく、猟師や農民の間で呼ばれるようになった山名ということになります。

はたしてどちらの由来が正しいのか、これは行ってみなければわかりません。

1、タテ・ヤマという地名。多くは同義反復か。
2、「館のある山」⇒館山。
3、狩猟、伐採などを禁じた山。
4、集落の共有で仕立てている山。
5、木を切らずに置く山。
6、立山信仰にちなむ地名。

辞典を引くと6つも意味が出て来てしまいました。
3,4,5の可能性が一番高いように思われます。

すぐ南隣に大指という大規模な焼畑地名がありますので、伐採を禁じた山の意の可能性が高いです。
ちなみに焼畑とは伐採跡地を焼いて、その灰を肥料に作物を作り、土地が痩せて来たら、別の場所を伐採して焼畑をして、前の焼畑の場所は放置して、木が生えて来るということを数年ごとに繰り返す農法です。
だから焼畑と伐採は、切っても切れない縁にあるわけです。

前回行った、大指小塚、行白小塚の至近でもありますので、立山の謎を解明しに出かけることにしました。
下山後は、名栗分室で資料集めをしましょう!

sDSCF0254.jpg
赤沢バス停 7:25

飯能駅から湯ノ沢行きのバスに乗って、赤沢で下車。
バス通りを飯能方面へ戻って、黄標柱の立つ角を左に曲がれば、蕨入林道へは道なりでわかりやすいのですが、この辺りの県道70号飯能下名栗線、通称名栗街道は道幅が狭く、あまり良い気分がしない道です。

そこで、電話ボックスの角で左折して裏道を行きます。
十字路にぶつかり、右折してT字路にぶつかったら左折します。
またT字路にぶつかると、左は素盞鳴神社を経て、加久良山~峯山~三本松~楢抜山の楢抜山ルートになりますが、今日は右折します。
小さな橋を渡ってすぐ十字路になり左折、黄標柱からの道にここで合流します。
登山詳細図では二つのルートを記載してあります。
慣れて来たら裏道を使うのが良いでしょう。
私のように慣れるほど通う人がいるのかどうか疑問ですが。(笑)

最奥の民家を過ぎると、砂利道の蕨入林道になります。
何度か蕨入を渡り返すと、左手にミツマタの咲く斜面があります。
なぜここの一角だけミツマタが群生しているのか不思議な感じです。

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ミツマタ

行白小塚から分かれて下って来る枝尾根が始まるところに大指入があり、踏み跡が沢沿いに延びております。
この辺りは大指出口の名で行白小塚の南斜面を大指日向、楢抜山ルートの北側斜面から大指入にかけてが大指日蔭、大指小塚の南、大指入の最奥地が大指になっております。

かつては、盛んに焼畑が行われた場所のようですが、今は地名が残っているだけです。
地名からかつてその場所がどのような場所で、どのような生活があったのかを想像してみるのも楽しいものです。

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荒れている大指入・大指出口

最近、伐採されたのか、明るくなった蕨入。
待避所の切株に座って、遅い朝食です。
実は朝方まで奥多摩東編の作業をしていたのでほとんど寝ていないのです。
眠気よりも、立山への好奇心の方が勝ってしまい、気が付いたらバスに乗っておりました。
お昼に帰って爆睡しましょう。

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待避所で休憩

腹ごしらえを終えて、コロコロくんを出したら、再出発です。
待避所のすぐ先が、行白小塚入口なのです。
こんなところに道があるなんて誰が予想できましょう?
地図に入れたいルートです。

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行白小塚入口

飯能市史だと行白小塚の意味ついては不明だったのですが、『原市場の地名と屋号』に明記してあるのを発見しました。

『原市場の地名と屋号 原市場郷土史研究会 浅見茂 著 P13』

大差小塚(おおざすこづか)

差は指で焼畑。つか、畑の単位。
焼畑跡地の小さな畑の意。

行白小塚(ぎょうしろこづか)

行は道、白は山腹の平坦地。
道に沿った山腹の小さな畑。
最近まで畑であった。



『原市場の地名と屋号』によると、道沿いの小さな畑を行白と言うようです。
飯能市史の行者が云々にすっかり惑わされてしまいましたが、修験道の雰囲気はまったくありませんし、『原市場の地名と屋号』の記述が正しいようです。
まあ、これは現地を歩いてみないとわからないことですね~。

行が道ということは、前回歩いたあの道のことでしょう。
畑に行くための道だったようですね。
確かに傾斜が緩くて歩きやすい道でした。
文献にある埋もれかかった道を発見していたとは~。

気になるのは、塚は畑の単位という記述です。
辞典によれば、ツカ(束)は古代、稲の量をはかる単位。
転じて畑の面積の単位として使われてきた。
地味によって広さは異なるが、一畝60坪~100坪ぐらい、平均2畝半という。

『原市場の地名と屋号』の記述は間違いないようです。
一口に塚と言っても色々な意味があるのですね~。

大指小塚、行白小塚を山名とするのは疑問の残るところですが、字地の最高地点であることは間違いないし、そこをそれぞれ大指小塚、行白小塚と呼ぶのも間違いではありません。

さてさて、行白小塚入口を後にして、コロコロくんと蕨入林道を進みます。
林道は蕨入を渡って左岸に移り、大きく右に曲がります。
ふと左の広場を見ると、その先に支流が落ち込んでいて、それが細栃窪です。

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細栃窪入口 8:19

申し訳ありません。m(__ __)m
地図では、「杤」となっておりますが、正しくは「栃」が正解です。
次版で訂正する予定になっております。

『飯能市史 資料編 Ⅺ P115』

名栗村と接した山頂付近。
栃の木がある細い沢のことか、沢は蕨川に入る。



『原市場の地名と屋号 P13』

下方に沢が流れる山頂の小窪地。



細栃窪は、この沢の最奥地の字名にもなっております。
『原市場の地名と屋号』によれば、栃の木のことにはまったく触れておらず、山頂の小窪地と言っており、細い土地に細栃と当て字されたようです。

この辺りで山頂といえば、505m峰のことでしょうか。
窪地は無かったと思いますので、別のピークのことかもしれません。

細栃窪の方を見てみると、左岸に踏み跡があるようです。
蕨入との出合付近がえぐれているようですが、迂回すれば問題無さそうなので、ここから入ることにしました。
道を見るとついつい歩きたくなってしまいます。
これが大きな間違いの元になりましたが、この時はしめた!とばかりにこの道を使うことになんのためらいもありませんでした。

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えぐれている

台風のつめ跡でえぐれた場所をよけて、少し上流から蕨入を渡りました。
水量が少ないので、問題無く渡れて、踏み跡に入ることができました。
倒木が多いかな?と思いましたが、最初にくぐった一つだけで、その後は倒木の無い良い道が沢沿いに続いていて驚きました。

sDSCF0272.jpg
細栃窪沿いの道

登れそうなところはないか、右上を何度も見上げてみますが、急すぎるし、踏み跡も確認できません。
右から立山沢を合わせると、傾斜が緩くなりますが、植林だらけの踏み跡の無い斜面です。
これは困ったなあ。
のっけから良い道を見つけたと思ったのですが、尾根に取り付く良い場所が無いのです。

仕方なく、立山沢を渡って、さらに奥へと進みます。

sDSCF0273.jpg
支流の立山沢を渡る

踏み跡は更に奥へと続いていますが、沢沿いの道は、奥地で途切れるのが普通です。
そこから尾根に登るのも大変なので、そろそろ尾根に取付かねばなりません。

sDSCF0275.jpg
更に延びる細栃窪沿いの道

立山沢右岸の小尾根を登りますが、踏み跡は無いしかなり急です。
ふと立山沢左岸を見ると踏み跡らしきものがあります。
隣の芝生は青く見えるの例え通り、あちらの方が歩きやすそうだなと思って、立山沢の出合付近まで戻って、立山沢左岸を登ることにしました。

左下に小滝を見て、立山沢左岸の踏み跡を進みますが、奥は倒木だらけで歩行不能です。
右へ折れて、斜面を登ることにしました。

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立山沢右岸小尾根

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立山沢の小滝

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荒れている立山沢

sDSCF0285.jpg
ここから尾根へ

先ほどの踏み跡は、鹿の糞が多く、どうやら獣道だったようです。
途中からあやふやになり、急なザレ場となってしまいました。
上を見上げても傾斜の急な斜面が広がるばかりで頭を抱えます。
これでは地図に載せることはできないので、コロコロくんをコロコロせずに担いで斜上することにしました。

さすがにまた下ってやり直すという気力も湧かないので、北へトラバースしつつ、登れそうな尾根を探すことにしました。

斜面を登ることにしたものの、見上げると首が痛くなるほどの急斜面です。
登行意欲がそがれて、北へトラバースすることにしました。
運よく上に登る踏み跡でも見つけられれば…と思ったのですが、獣道が続くだけです。
ザレザレの涸れ沢を獣の足跡が横断しており、ここの通過はさすがに肝を冷やしました。

私は一体何をやっているのでしょう?

はたから見れば山中で迷っている登山者ですよ。

倒木が多くなり、灌木につかまりながら登ることにしました。
ようやく、斜上している踏み跡にぶつかりこれをたどって登りますが、道形はかなり薄く、下って入口を確認する気にもなれません。

汗だくになって尾根へ登りつめると、薮のない平坦な尾根に登り着き、登って来た方向を振り返ってみますが、踏み跡はわかりません。
他にも踏み跡がないかと探しましたが、確認できませんでした。
下って来た場合はここで行き詰まりそうです。

ともかく、330m圏の平坦地にどうにかたどり着いて一息入れます。

たま~にこういう地図に載せられないルートをたどることになってしまうこともあります。
今日はその「たま~に」にぶち当たってしまったようです。

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330m圏の平坦地 9:07

330m圏の平坦地からは、歩きやすい尾根道となりました。
なんだかもったいないなあ。

急登の後、馬酔木の薮コブに着くと、そこが370m圏峰です。

sDSCF0295.jpg
370m圏峰 9:14

薮のない歩きやすい尾根道を進みます。
末端の悪場が無ければなあ…。
と何度も悔やみながら登ります。

樹林越しに、ピークが見え、楢抜山ルートの460m圏峰のようです。
その左下は、前回訪れた行白小塚で、山とは呼べない小さなコブです。

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椿の咲く尾根道を行く

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楢抜山ルート460m圏峰

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行白小塚

急な斜面になると、さすがに踏み跡が不明瞭になってきます。
適当に登りやすいところを登ると、踏み跡が再び出て来て、北からの枝尾根(美名窪右岸尾根)が合流してきて、赤プラ杭が埋まっております。

登って来た方向を振り返ってみましたが、踏み跡は薄くここを下ろうという気にはなれません。
もし、次に来ることがあったら、美名窪右岸尾根になるでしょう。

地図に載せられるようなルートを見つけるのは、そんなに簡単なことじゃないなあと実感します。

sDSCF0305.jpg
480m圏の歩きやすい尾根を行く

尾根の幅が広がり更に歩きやすくなります。
急登をこなすと、南東から枝尾根(畔地沢左岸尾根)を合わせて、500m圏峰に着きます。
ここが立山という字地の最高地点です。
果たしてこれを立山山頂と言って良いのかどうか疑問が残りますが…。

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立山山頂 500m圏峰 9:45

とてもそばっているとは思えないピークなので、やはり「狩猟、伐木などを禁じた山、とめ山」の意味の立山でしょう。
尾根上は灌木の藪がはびこっているので、北側によけて進みます。
灌木の藪を抜けると、再び歩きやすい尾根道となり、不自然にえぐれた場所を見ます。
朽ちた丸太が谷底の方向へ向いているので、昔、伐採後に木を落とした場所です。
え?とめ山なのに伐採が?と疑問に思いますが、ここはもうとめ山エリアではなく、大字赤沢の飛び地の畦地と美名窪、穴ノ尾との境界尾根上です。
ちなみに、畦地は、田畑のアゼではなく、飛び地のことらしいです。

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シラ(シュラ)木落とし跡

一般的にはシュラと呼びますが、名栗では訛ってシラと呼びます。
奥多摩では、木落としをした崖地をナギと呼びますが、白ナギノ頭の白は木落としのシラかもしれません。
奥多摩東編の作業を思い出してしまいました。

近くに朽ちた丸太が散乱しているし、少し先には錆びたワイヤーもあったので、シラであることは確実です。
ということは、ここへ至る杣徑がどこかにあるはずなのですが~。

楢抜山が近づいて来ると、急登になり、踏み跡はそれをよけるように尾根の右へと反れて行きます。
黄テープのある分岐に出るのかと思っていたら、やや西寄りに出てしまい振り返って黄テープを確認しました。

sDSCF0312.jpg
540m圏の黄テープのある分岐

ここまで来れば、楢抜山はもう目鼻の距離です。

sDSCF0314.jpg
楢抜山山頂 9:59

先週と変わらない雰囲気の楢抜山山頂で、パンを口に入れます。
悪場の急登で眠気が吹き飛んでしまったのは、不幸中の幸いでした。

つづく…。
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プロフィール

池田 和峰

Author:池田 和峰
2015年から奥武蔵登山詳細図を手伝うことになりました。

奥多摩登山詳細図(西編)などに名前が載っています。

メアド:climberkaz@gmail.com

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